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介護施設で働く看護師とは? 病院との違いと給料・夜勤の実態

「夜勤がきつくて、介護施設に移ろうかと思っているんです」

病院から介護施設へ。そう考え始めたとき、実際に何がどう変わるのかは、求人票を眺めていても見えてきません。

医療行為は減るのでしょうか。給料は下がるのでしょうか。医師がいない時間の判断を、自分ひとりで背負うことになるのでしょうか。

この記事では、制度で決まっている部分と、施設ごとに変わる部分を切り分けて整理します。読み終えたとき、面接や見学で何を確かめればいいかが具体的に分かります。

最終更新日:2026年7月2日

介護施設で働く看護師は約10万8千人 まずは全体像から

介護施設の看護師は、生活の場で入居者の健康を管理します。介護職員と連携し、医療の視点から生活を支える役割です。

厚生労働省の調査では、2024年末時点で就業する看護師は全国1,363,142人。うち病院が895,944人で全体の65.7%です。

一方、介護老人保健施設や介護医療院、特別養護老人ホーム、居宅サービス事業所などを含む「介護保険施設等」で働く看護師は107,984人。

ただし人数より大切な前提があります。ケアスタッフのキャリアアドバイザーが病院から移る方にまず伝えるのは、病院は治療の場、介護施設は生活の場だという違いです。この違いが、仕事の中身に影響します。

関連記事:介護老人福祉施設で働く職種とは?――仕事内容だけでなく”向き・不向きと現場の実情”まで解説

病院と何が違う? 転職した看護師が感じた2つの変化

違いは担当する処置の中身だけではありません。大きく変わるのは、連携の相手と医療行為の量の2つです。実際に転職した方が感じた変化から整理します。

看護師主体から「介護士主体」へ 連携の相手が変わる

ケアスタッフのキャリアアドバイザーへの取材によると、病院から移った方がまず戸惑うのは、連携の軸となる相手が変わることだといいます。

病院では看護師が中心ですが、介護施設では介護職員が主体です。「介護士のヘルプに入る」「介護士と密に連携する」場面が多くなります。同じ多職種連携でも、自分が立つ位置が変わります。

医療行為は減る 負担が軽くなる人と、スキル不安を感じる人

同じ取材では、病院ほどせかせかせず、体の負担が減ったという声も挙がっています。一方で、医療行為が病院に比べて少ないため、人によっては「スキルが落ちてしまう」と感じます。

受け止め方は人によって分かれます。今の職場で何をつらいと感じ、何を手放したくないのかを整理しておきましょう。

関連記事:【キャリアアドバイザーに聞いてみた!】看護師が介護施設で働くメリットと職場選びのポイント

給料はどうなる? 病院と介護施設の公的データを並べてみる

給与は転職判断の中心にある論点です。ただし病院と介護施設では、公的な調査そのものが別立てになっています。両方の数字を並べたうえで、なぜ差が生まれるのかを説明します。

病院は年収約540万円、介護施設は月額約38万円という数字

病院側について見てみましょう。第25回医療経済実態調査によると、一般病院の常勤看護職員は平均給料年額4,355,506円に賞与1,052,167円を加えた5,407,673円でした(2024年度)。

続いて介護施設側です。令和6年度介護従事者処遇状況等調査では、看護職員の平均給与額が月384,620円(2024年9月)。基本給+手当+一時金の金額です。

ただし、この2つをそのまま比べることはできません。 調査の対象も、含まれる金額も、集計時点も異なります。

あえて桁を揃えるなら、病院は月あたり約45万円、介護施設等は年あたり約462万円です(※換算値は2調査から計算した目安で、調査が公表する数字ではありません)。

ただ、同じ調査を職種別に見ると、看護職員の384,620円は掲載8職種の中で最も高い平均給与額です(介護職員338,200円)。
※8職種…介護職員、看護職員、生活相談員・支援相談員、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士又は機能訓練指導員、介護支援専門員、事務職員、調理員、管理栄養士・栄養士

なぜ差が生まれるのか 「介護報酬ベース」と「診療報酬ベース」の違い

では、なぜ差が生まれるのでしょうか。ケアスタッフのキャリアアドバイザーによると、給与水準に影響する背景のひとつが報酬制度の違いです。介護施設では介護報酬、病院では診療報酬が給与の原資になります。

ただし例外があります。医療依存度の高い利用者を対象とする施設では、条件が異なる場合があります。求人票の金額だけで諦めず、どんな利用者を受け入れる施設なのかを確認しましょう。

関連記事:介護職の給料が上がる!?気になる賃上げ実態

施設の種類で体制はここまで違う 配置基準と医師の関わり方

看護職員が何人配置されるか、医師がどう関わるかは、施設の種類ごとに国が基準を定めています。代表的な5つを整理します。

特別養護老人ホーム(特養):入所者50人超130人以下の場合、看護職員は3人以上

介護老人保健施設(老健):看護・介護職員は入所者3人に1人以上で、うち看護職員は7分の2程度

介護医療院:看護職員は入所者6人に1人以上

介護付き有料老人ホーム:看護職員は利用者30人以下で1人以上

デイサービス:看護職員は単位ごとに専従1人以上

いずれも制度上の配置下限です。しかも常勤換算(勤務時間を常勤者に換算した数)での下限なので、常勤の看護師がその人数いるとは限りません。

特別養護老人ホーム 「100人に3人」ではなく入所者数の区分で決まる

特養の看護職員配置は「入居者100人につき3人」と説明されることがあります。しかし省令の定めは入所者数の区分制で、30人以下なら1人以上、30人超50人以下で2人以上、130人超は50人ごとに1人加算です。

医師は「健康管理及び療養上の指導を行うために必要な数」とされ、常勤換算の人数規定はありません。常に医師がいるとは限りません。

5種類のうち医師の配置基準があるのは老健と介護医療院

老健は医師を常勤換算で入所者100人あたり1人以上配置する定めです。常勤医1人とは限らず、非常勤の合算でも満たせます。介護医療院は看護配置がさらに厚い基準です。医療行為との関わりを残したい方は、この2種類を候補にしましょう。

有料老人ホームとデイサービスに医師の配置基準はありません。ただし関与しないわけではなく、有料老人ホームには協力医療機関を定める規定があります。

関連記事:医療法人社団しただ 介護老人保健施設いっぷく(人事担当者インタビュー)

関連記事:デイサービスの仕事、初めてでも大丈夫? 仕事内容と1日の流れを解説

夜勤とオンコールの実態 「施設形態で括れない」のが結論

「特養なら夜勤なし」。そう聞いたことがあるかもしれません。ただし制度上の決まりと現場の運用は別物です。何が決まっていて、何が施設ごとに変わるのかを分けて説明します。

傾向はあるが、施設によって変わる

ケアスタッフのキャリアアドバイザーへの取材によると、夜勤があるのは介護老人保健施設、介護医療院、一部の有料老人ホームなど。夜勤がなくオンコール対応となるのは、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、ショートステイなど入所や泊まりのある施設だといいます。有料老人ホームが両方に登場するとおり、運用は施設ごとに違います。施設形態で括ることはできない、ということです。

制度の側では、特養の人員基準に看護職員の夜勤配置を義務づける規定がありません。ユニット型でも「2ユニットごとに1人以上の介護職員又は看護職員」で、看護師は必須ではありません。ただしこれは制度上の話で、実際の運用を示すものではありません。

オンコールの回数は「対応できる人が何人いるか」で決まる

回数を左右するのも施設の種類ではありません。同じ取材によると、対応可能な職員でローテーションを組むため、担える職員数によって1人あたりの回数が大きく変わります。

電話で対処しきれない場合は「呼び出し」となり、施設に出向くこともあります。

関連記事:介護の夜勤は本当につらい?現場のリアル体験談と負担の少ない職場選び

関連記事:夜勤なしの介護職、本当にある?求人選びの落とし穴と対策

介護施設に向いている看護師と、面接で確かめたい5つのこと

ここまでをふまえると、向いているのはどんな看護師かが見えてきます。治療ではなく生活を支える視点に切り替えられる方、介護職員が主体の現場で自分の役割を組み立てられる方、そして医師がいない状況下での判断に抵抗がない方です。

そのうえで、ケアスタッフのキャリアアドバイザーが相談で繰り返し受ける不安を、確認すべき質問に変えましょう。

1. 看護師の在籍数と1日の人数体制
→病院より配置が減るのはほぼ確実です。日中と夜間の人数を分けて聞きます。

2. 医師がいない時間の判断と連絡体制
→急変が少ない現場とはいえ、看護師判断になる場面は少なくありません。

3. 研修期間はどのくらい設けてもらえるか
→入職直後にどれだけ伴走してもらえるかを、具体的に聞きます。

4. 残業時間と希望休のルール
→月の残業時間に加え、希望休の日数と申請ルールも聞きます。

5. オンコールの回数と呼び出しの実態
→職員によっては回数が均等でないケースがあるので、「オンコールを対応しているのは何名で、1人あたりのオンコール回数は月何回か。呼び出しはどの程度あるか」をストレートに聞くのが最も確実です。

求人票には、希望休の日数やルールまで掲載されていないのが実情です。だからこそ面接と見学が、判断材料を集める機会になります。

関連記事:介護施設見学のチェックポイント15選!プロが教える失敗しない職場選び

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まとめ

介護施設は治療の場ではなく生活の場
→介護職員が主体の現場で、医療の視点を持ち込む役割です。

医療行為は減るが、受け止め方は分かれる
→体の負担が軽くなる一方、スキル面の不安を感じる方もいます。医師が常にいるとは限らないため、判断範囲と連絡体制の確認が必要です。

給与水準は下がる傾向だが、施設内では最も高い職種
→原資が介護報酬か診療報酬かで差が生まれます(医療依存度の高い施設は別)。ただし職種別では最上位です。

夜勤とオンコールは施設ごとに確認する
→形態では括れません。回数は対応できる職員数に左右されます。

病院から介護施設へ。転職を決める前に、人数体制や夜勤・オンコールの条件を整理することから始められます。

ケアスタッフでは、介護施設で働く看護師の皆様も含め、介護・医療現場で働く方のキャリアを総合サポートしています。しつこい営業は一切いたしません。秘密厳守の無料相談を承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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ケアスタッフは医療・介護施設のパートナーを目指し人材サービスを提供しています。具体的には就職を希望する看護師、介護士、歯科衛生士等の方と新潟県内の施設や病院、双方のニーズにマッチングさせる仕事です。1998年の創業から26年間での看護師・介護職などの登録数は、延べ1万人以上。お取引先は新潟県内で300社以上。高齢者介護施設とその担い手をマッチングする「ヘルスケア人材サービス」の仕事を通じて蓄積した知見と情報を、毎週独自の視点でお届けします。

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