介護派遣ってどんな働き方なの？

介護派遣は、派遣会社に登録し、派遣先の介護施設や事業所で働く雇用形態です。
雇用元は派遣会社であり、派遣先で業務を行う仕組みとなっています。
また、正社員や契約社員とは異なり、雇用契約の締結先が派遣会社であるため、契約内容や労働条件は派遣会社が管理しているのが特徴です。
介護派遣の働き方には、主に以下の2つの形態があります。

登録型派遣

派遣会社に登録した後、必要に応じて派遣先で勤務する形態です。この働き方は2～3ヶ月の契約期間が一般的で、その後は自分のスケジュールやライフスタイルに合わせて契約期間の延長や契約期間満了にて終了ができる他、違う派遣先を選んで働くこともできます。このように派遣での就業は柔軟性が非常に高いことが特徴です。

紹介予定派遣

一定期間派遣社員として勤務した後、派遣先で正社員や契約社員として直接雇用されることを前提とした働き方です。
この形態では、派遣期間中に職場の雰囲気や業務内容を実際に体験できるため、直接雇用後のミスマッチを防ぐことができます。
また、正社員として長期的なキャリアを築きたい方や、派遣を通じて自分に合った職場を見つけたい方に最適な選択と言えるでしょう。

〈勤務期間のルール〉
労働者派遣法により、同じ派遣先での勤務期間は原則として31日以上3年以内に制限されています。
この制度は、派遣労働者の雇用安定やキャリア形成を図るという目的があります。
したがって、同じ派遣先で3年以上の勤務を希望する場合は、

・派遣先での直接雇用を目指す
・部署がいくつかある場合は部署異動する
・無期雇用への転換をする

以上のような方法があります。

介護派遣のメリットとは？

介護派遣は以下のように多くのメリットがあります。

時給が高い

介護派遣は、アルバイトやパートタイマーに比べて時給が高い傾向にあります。多くの介護事業所が人手不足に悩んでいるため、求人で高時給を提示してでも人材を確保したいという背景があります。
また、介護に関連する資格を持っている場合、さらに時給が高く設定されることもあります。

残業なしもしくは残業代が支払われる

派遣社員は労働時間が明確に管理されており、残業が発生する場合でも適切な残業代が支払われます。そのため、長時間労働を避けつつ、安定した収入を得られる環境が整っています。

働き方の希望を叶えやすい

派遣先や勤務条件を自分のライフスタイルに合わせて選ぶことができます。例えば、家事や育児との両立がしやすい短時間勤務や土日休みの勤務、夜勤をしない働き方、さらには夜勤のみの夜勤専従勤務など、柔軟に働ける選択肢が豊富です。

有給休暇が取りやすい

派遣社員として一定の勤務日数を満たせば、有給休暇を取得する権利が得られます。また、派遣会社を通じて有給申請の手続きが行えるため、スムーズに休暇を取得できます。

無資格・未経験でもOK

介護派遣は、資格や経験がなくても始めやすいのが特徴です。派遣会社が事前に研修を実施する場合もあり、介護未経験の方でも安心して働き始めることができます。

職場が合わなければ変更しやすい

職場が合わないと感じた際は、派遣会社に相談すれば、契約更新をすることなく次の派遣先を紹介してもらうことができます。契約期間満了を迎える前に次の派遣先を紹介してもらえるので、仕事の切れ目なく働き続けることが可能です。これは、職場環境に柔軟に対応できる働き方として大きなメリットです。

いろいろな施設で実務経験が積める

短期間でさまざまな施設を経験することで、幅広いスキルや知識を習得できます。また、特定の分野に特化した経験を積みたい場合にも派遣の仕組みを活用できます。

面接がない

通常の就職活動で必要とされる面接がないため、気軽に新しい職場で働き始めることができます。

福利厚生が充実している

派遣会社によっては、社会保険や健康診断、交通費支給など、正社員並みの福利厚生を提供している場合があります。これにより、安心して長期間働き続けることができます。

介護派遣のデメリットとは？

介護派遣には、柔軟な勤務時間や多様な職場経験などのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。

まとまった額での賞与や退職金がない

派遣社員として働く場合、賞与や退職金は時給に含まれているため、まとまった額で支給されないことが一般的です。安定した収入や将来の退職後の備えを求める人にとっては、これらの福利厚生が欠けていることは大きなデメリットとなる場合があります。

責任ある仕事を任せてもらいづらい

派遣社員は契約期間が限られていたり、契約内容に沿って業務を行ったりするため、任せてもらえる仕事の幅が狭く、責任あるポジションに就くことが少ない傾向があります。
キャリアアップを目指したい人は正社員としての登用を目指すか、無資格の人は資格を取得するなどの必要があるでしょう。

派遣社員への理解が薄い職場では苦労することがある

一部の職場では、派遣社員に対する理解が不足していることがあります。
そのため、他の正社員とのコミュニケーションにおいて疎外感を感じたり、負担を一方的に押し付けられることもあり、働きづらさを感じることもあるようです。

同じ職場で働き続けることが難しい場合も

派遣社員は、契約終了後に次の仕事に移ることが一般的であり、同じ職場で長期間働き続けることが難しい場合があります。
したがって、良い職場に巡り合っても契約更新の有無が不安定であるため、継続的な勤務が難しい可能性もあるでしょう。

まとめ

介護派遣は、自分のペースに合わせた柔軟な働き方ができる素晴らしい選択肢です。高い待遇や仕事の幅広さも魅力的で、成長しながら働ける環境が整っています。

一方でもちろんデメリットもありますが、派遣会社のサポートを積極的に活用したり、さまざまな職場で経験を積んだりすることで、さらなるスキルアップが可能です。
自分に合った働き方を見つけ、介護業界で充実したキャリアを築いていきましょう。