介護の夜勤専従とは

利用者を24時間体制でケアしている介護の現場には、夜勤のみに従事する介護職員がいます。

勤務時間は施設によって異なりますが、一般的に16時ごろから翌朝8時ごろまでの間に8～16時間ほど勤務します。
夜勤のみなので、派遣やパートなど、非常勤での雇用が一般的です。

主な業務内容は、夕食や朝食のサポート、利用者が就寝中の見回り、起床介助などです。
利用者の体調や病状が夜間に悪化するおそれもあるため、急変時には病院への連絡や、搬送準備を手伝うなどの対応をすることもあります。

夜勤専従の1日の流れ

夜勤専従の介護士の出勤から就業までの流れの一例をご紹介いたします。

・16時～出勤・引き継ぎ
　出勤後、利用者の体調や服薬などの情報を日中勤務のスタッフから共有してもらう。

・18時～夕食の準備・食事介助

・20時～就寝準備
　歯磨きや着替え、ベッドへの移乗など、就寝に向けたサポートを行う。

・22時～消灯・見回り（1～2時間に1回程度）
　利用者の体調や呼吸状態に異常がないか見て回り、必要に応じて寝返りの介助やトイレ案内などを行う。

・23時～庶務・休憩・仮眠
　勤務時間に応じて交代制で休憩や仮眠を取ったり、介護記録の作成をしたりする。

・6時～起床介助
　着替えや洗面、排泄介助など、起床から朝食までが特に忙しい時間帯になる。

・7時～朝食準備・食事介助

・8時～引き継ぎ・退勤
　日中勤務のスタッフが出勤後、業務を引き継いで退勤する。

夜勤専従のメリットとは

夜勤専従の介護職員として働くメリットは以下の通りです。

日勤よりも高い給与が期待できる

夜勤専従で勤務する場合には、夜勤手当がつくため日勤よりも給料が高いというメリットがあります。
働く地域や条件によって異なりますが、夜勤手当の相場は1回の勤務につき5,000～1万円ほどです。

東京都の夜勤専従の求人の中には、時給1,500円、日給2万～3万円ほどで募集をかけているところもあります。
この金額に夜勤手当が加算されることで日勤帯で働くよりもはるかに高い給料を期待できるでしょう。

勤務日数が少ない

夜勤専従で1日の勤務時間が8時間を超える場合、ひと月あたりの勤務日数は10日前後です。
1回あたりの実働時間が長い分、勤務日数が少ないため、休みやプライベートの時間を確保しやすい傾向にあります。

日中に比べて業務が少ない

入浴介助などの体力を使う業務やレクリエーションなどを行う日中に比べて、夜間は巡回や介護記録の作成がメインの業務になります。

時間に追われることなく、自分のペースで業務を進めやすいので、体力に自信がない人やコミュニケーションを取るのが得意ではない人でも働きやすい環境です。

夜型の人に最適の働き方

夜型の人にとって夜間に働けることは最大のメリットと言えるでしょう。
夜勤専従の場合、日勤との交代制ではなく、夜勤のみでシフトが組まれることになるので、勤務時間が変動しにくく、生活リズムも整えやすいという利点もあります。

夜勤専従のデメリットとは

介護現場の夜間勤務には、以下のようなデメリットもあります。

昼夜が逆転する

夜勤専従は夜間に働き、日中に休息を取るため、昼夜が逆転した生活を送ることになります。
日中に働いている家族や友人などと生活リズムが異なるため、予定を合わせにくいというデメリットがあります。

勤務時間が長い

夜勤専従の勤務時間は、休憩や仮眠を含めて基本的に16時間としている施設が多く見られます。
近年では、8時間夜勤を取り入れている3交代制の介護施設も見られるようになりましたが、勤務時間が短くなる分、夜勤手当も減額する点に注意が必要です。

体調管理が難しい

夜勤専従は夜間しか勤務しないため、慣れれば生活サイクルを安定させることも可能ですが、長時間の勤務により疲れが溜まりやすく、寝不足などのちょっとした理由でも体調を崩してしまうことがあります。

体調不良で休むことになれば、日勤のスタッフのシフトも再度調整しなければならないため、夜勤専従で働く際には自身の体調管理をしっかり行うことも重要です。

施設によっては一人対応になることもある

地方など規模の小さい介護施設では、夜間の対応に介護スタッフを一人しか割り当てていないところもあります。
利用者の体調が急変した時などには、一人で適切な判断を下し対応しなければならないため、介護職経験のあるスタッフであっても不安を感じる可能性があります。

まとめ

介護士として夜勤専従で勤務すると、日勤よりも給料が高く、勤務日数は少ないというメリットがあるため、プライベートとの両立や収入アップが期待できるでしょう。

特に夜型の人にはおすすめの働き方ですが、長時間労働によるリスクなども考えられるため、勤務時間や人員の配置などをしっかり確認したうえで、自分に合う働き方かどうかを判断することが大切です。