夜勤なしの介護職はある？　働ける職場の種類

介護現場は24時間体制のケースも少なくありませんが、実は施設や組織体制によっては日中の勤務のみの現場もあります。

また、施設入所ではなくサービス利用者の自宅に向かう訪問介護なども、日中のみの仕事ができる代表的な現場の一つです。
以下に夜勤なしで働ける職場や職種を紹介します。

デイサービス（通所介護）

デイサービスは、利用者の生活の維持や訓練のためのサービスを事業所で提供する施設です。
ほかの利用者とレクリエーション活動や交流を楽しむことで、社会的孤立からの解消や、利用者本人と家族の精神的負担の軽減を目的とした側面もあります。

事業所は基本的に日中に運営されているため、夜勤を必要としない現場になっています。

訪問介護（ホームヘルパー）

利用者の自宅に訪問し、掃除や食事づくりなどの身の回りの世話から、入浴や排泄、食事などの介護、掃除、洗濯、調理といった生活援助や身体介護を実施します。
利用者が活動する日中の決められた時間帯にサービスを実施するケースが多く、働く時間を決めやすい職種です。

一方で、一人で介護を担当することも多く、身体介護を必要とするため、「介護職員初任者研修」などの資格が必要です。

有料老人ホーム

有料老人ホームは基本的に24時間体制で運営されていますが、早番・遅番・夜勤などの交代制でスタッフが勤務するのが基本です。
そのため、パートやアルバイトの介護士として、日勤のみの働き方も可能です。

業務内容としては、入浴や食事の介助のほか、レクリエーションを実施したのち、夜勤のスタッフへの引継ぎを行います。

特別養護老人ホーム・グループホーム

常時介護を必要とするなど介護度の高い利用者が入居する「特別養護老人ホーム」や、認知症の利用者が共同生活を行う「グループホーム」も、交代制でスタッフが勤務する現場です。

これまで無資格でも働ける現場が少なくありませんでしたが、介護従事者に対し「認知症介護基礎研修」の受講が2024年4月1日より義務化となっており、無資格で採用された場合は採用後１年を経過するまでに受講が必須となりました。

介護施設事務・相談員・ケアマネジャー

介護施設の運営サポートを実施する介護施設事務、利用者の相談・援助や連絡調整を行う相談員、どのような介護サービスが必要であるかというケアプランを作成するケアマネジャーといった職種も、日勤のみで働けるケースが多いです。

相談員やケアマネジャーは介護の実務経験が役立つことも多いため、介護業には携わりたいけれど夜勤は難しいという人の転職にも向いています。

介護職が夜勤なしの職場で働くメリット

さて、介護職の現場において夜勤がない働き方をすると、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

生活リズムが安定する

夜勤のある働き方の場合、同じ時間帯での勤務であればまだ問題ありませんが、夜勤と日勤が混在しているシフトの場合、生活や睡眠のリズムが安定しないことが原因で体調を崩してしまう人もいます。

日勤のみの場合、朝から働き始めて日が暮れる頃には業務を終えられるため、安定した生活リズムで働くことが可能です。

体力的負担を軽減できる

日勤のみの場合は働く時間が安定しており、体力面で不安が残る人にとって働きやすい環境と言えるでしょう。

また、アルバイトやパートであれば短時間勤務が可能な場合もあり、育児や家庭の用事などとの両立も可能です。

介護職が夜勤なしの介護職で働くデメリット

では次に、日勤ならではのデメリットはどのような点があるでしょうか。

夜勤ありよりも給与が低くなる可能性がある

夜勤には、午後10時から翌日の午前5時までの勤務に対する深夜割増賃金（25％以上）が支払われることが労働基準法によって定められています。
また、施設によってはこの他に夜勤手当が支給されるケースもあります。

そのため、同じ現場であっても日勤の場合は割増賃金や手当分が発生しないため、給与の合計は安くなる傾向にあります。
また、夜勤がある現場で日勤のみの勤務となった場合、働き方が制限されてしまうことで昇給や昇進が難しくなるケースもあるかもしれません。

正社員での募集が少ない

昇給や昇進の話とつながりますが、夜間対応ありの現場や施設で日勤のみの仕事を募集している際は、正社員ではなくパートやアルバイトで募集しているケースも少なくありません。

休みが曜日固定でないことが多い

介護職は、基本的に365日毎日支援やサポートが必要になることもあるため、シフト制や交代制で業務を実施するケースが一般的です。

そのため、曜日や時間を固定して働くことが難しくなってしまいます。
施設によっては、土日や祝日なども運営しており、特定の曜日に休むのが難しくなることもあります。

まとめ

日勤のみの介護職は、勤務体系や給与面など一定のデメリットはあるものの、働きやすく体力面の負担も少ない働き方と言えるでしょう。

体力面や体調で負担を感じているけれど、介護職で働いてみたいという人は、日勤のみの求人募集を探してみてはいかがでしょうか。