最終更新日：2025年9月11日

実務者研修とは？ 新潟での需要と受講のメリット

介護福祉士実務者研修は、介護福祉士国家試験を受験するために必須とされる研修です。2017年1月からは受験資格として当研修の修了が義務付けられました。特別な受講要件はなく、未経験者でも受講できる一方、すでに介護系資格を持っている方は履修済みの科目に応じて一部が免除されるため、負担を抑えながらステップアップすることが可能です。

当研修は総時間数が450時間以上と長期にわたりますが、その分、介護の基礎から応用まで体系的に学ぶことができます。特に、「たん吸引」や「経管栄養」といった医療的ケアの基礎を学べる点は、大きな特徴です。そのため、学習にかける時間や費用は、将来のキャリアへの投資となるでしょう。

新潟県は全国と比較して高齢化率が高く、2025年には34.4％、2040年には39.2％に達すると予測されており、要介護認定者や85歳以上の人口も急速に増加する見込みです。多くの市町村で高齢化率が30％を超え、一部では40％以上に達する地域も想定されることから、介護人材の需要は今後ますます高まると考えられます。
こうした背景を踏まえると、実務者研修を修了し、専門的な知識と技術を持つ人材は現場で即戦力として高く評価されるでしょう。

そして実務者研修には、介護福祉士国家試験の受験資格を得られるという利点に加え就業先によってはサービス提供責任者として働けるなど、キャリアアップの可能性が広がる点も魅力です。

また、学んだ内容を活かすことで利用者やその家族からの信頼感が高まり、サービスの質向上や満足度の向上にもつながります。このように、実務者研修は国家資格の取得に必要なだけではなく、専門性を磨き、介護職として将来の選択肢を広げる大きな一歩になるでしょう。

実務者研修と初任者研修の違いについて詳しく知りたいという方は、過去記事「介護の初任者研修と実務者研修の違いって何？」をぜひご参照ください。
https://carestaff.jp/kaigo/blog/nursing-assistant_no-experience/

新潟で実務者研修を受けられる主な施設一覧

新潟県内で実務者研修を受講できる施設は、主要都市ごとに複数存在しており、自宅や職場からの通学のしやすさを考えて選ぶことが可能です。

エリア別の代表的ないくつかの養成機関を、以下の表にまとめました。

参照：新潟県HP：https://carestaff.jp/kaigo/blog/nursing-assistant_no-experience/

開講状況や日程は年度で変更する可能性があるため、最新情報は各機関に確認するのがよいでしょう。
実務者研修は、通信課程とスクーリングを組み合わせた形式が一般的で、月1～2回のスクーリングで実技や演習を学びつつ、家庭学習や課題で知識を深めることが可能です。夜間や土日に開講するコースがあれば、仕事を続けながら資格取得を目指すこともできます。

スクーリングでは、介護福祉士国家試験の過去問演習や医療的ケアの実習も取り入れられ、実務で役立つ知識の習得と試験対策を同時に行うことが可能です。

受講にかかる費用は、開講地域や施設、そして保有資格によって変動します。新潟県の場合、無資格者であればおおよそ9万～17万円程度、初任者研修を修了している場合は8万～11万円程度が一つの目安です。

しかし、教育訓練給付制度を活用することで、負担を大幅に軽減できるかもしれません。雇用保険の一般被保険者や一定の要件を満たす離職者は、厚生労働大臣指定の一般教育訓練を修了すると、受講料の20％（上限10万円）がハローワークから支給されます。
研修修了後に必要書類を提出することで申請が可能で、制度を活用すれば自己負担を抑えつつスムーズに資格取得を目指せるでしょう。

実務者研修受講後の主な就職先とキャリアパス

実務者研修を修了すると、老人ホーム、訪問介護、老人保健施設、デイサービス、グループホームなど、多様な介護関連施設に就職することが可能です。それぞれの施設では利用者の特性や提供されるサービスが異なるため、希望条件や専門性に応じて職場を選択することが重要です。

研修を終えた後は、介護福祉士国家試験の受験資格が得られます。特にキャリアアップを目指す方にとっては、大きなメリットになるでしょう。実務経験ルートで介護福祉士の資格を取得するには、実務者研修の修了と3年以上の実務経験が必須です。

介護福祉士を取得することで専門性が証明され、リーダーや主任職、サービス提供責任者、ケアマネジャーなどへのキャリアアップも可能です。実務年数と資格に着目して中長期的なロードマップを整理すると、以下のようなキャリアパスが想定されます。

介護職のキャリアパスの選択肢は多様で、例えば施設介護職では、介護職員からユニットリーダー、主任、施設長へと昇進するキャリアパスや、生活相談員など職種を変えながらキャリアを積むキャリアパスもあります。

また、訪問介護ではサービス提供責任者や管理者を目指す道があり、在宅介護で得た経験を施設介護に活かすことも可能です。ケアマネジャーとして地域包括支援センターで勤務したり、独立して居宅介護支援事業所を運営したりすることもできます。

そして新潟県では、高齢化が進む一方で介護職員の確保が課題となっており、施設・在宅サービスを問わず求人は多く、特に24時間対応の地域密着型サービスや在宅支援体制へのニーズが増大しています。

こうした状況を踏まえ、研修で得た知識や技能を活かし、住み慣れた地域で高齢者が安心して暮らせる環境づくりに貢献できる人材としてのキャリア形成が期待されています。

さまざまな介護職のキャリアパスも知りたいという方は、過去記事「介護職のキャリアアップ方法とは？ 目的別キャリアパスを紹介！」もぜひご参照ください。
https://carestaff.jp/kaigo/blog/nursing-assistant_no-experience/

新潟で実務者研修を受講する際のポイント

新潟県で実務者研修を受講する際に気を付けるポイントを3つ紹介します。

スクーリング会場へのアクセスと季節要因

研修の通学にはスクーリング会場へのアクセスが重要になります。新潟駅や長岡駅の近隣にある養成施設の場合は、上越新幹線や信越本線など複数の路線が乗り入れており、公共交通機関でスクーリングを考えている方には比較的通いやすい立地です。
車でスクーリングを考えている方は駐車場の有無などを確認しておく必要があります。
新潟県は冬季には降雪が多く、日照時間も限られるため、通学経路や天候リスクを事前にチェックしておくと安心です。

振替・延長・通信課題サポートの有無

働きながら実務者研修に通う場合、「続けやすさ」を重視した運営体制かどうかが重要です。スクーリングが少ないコースや、欠席時の振替制度があるかどうかは、継続のしやすさに大きく関わります。

また、通信課題の提出サポートや、スケジュール調整に柔軟な対応をしてくれる施設もあります。仕事や家庭と両立しながら進めるには、こうした仕組みが整っているかを事前に確認しておきましょう。研修を無理なく修了するためには、「通えるか」だけでなく、「続けられるか」という視点で施設を選ぶことが大切です。

医療的ケア（喀痰吸引・経管栄養）演習の実施体制

実務者研修では、喀痰吸引や経管栄養といった「医療的ケア」の基礎知識と技術を学びます。医療的ケアを実際に行うには、「喀痰吸引等研修」の基礎研修と実地研修を修了する必要があります。

必須演習は現場力に直結するため、施設の設備環境や指導体制がしっかりしているかを事前に確認しておくと安心です。ただし、実務者研修で学ぶのはあくまで基礎知識と演習のため、実務で行うには別途、喀痰吸引等研修（基礎研修・実地研修）を修了する必要があります。

まとめ

新潟で介護福祉士実務者研修を受ける際は、アクセスや季節の影響を考慮して通いやすい施設を選ぶことが大切です。あわせて研修内容やサポート体制も比較し、自分の生活スタイルに合った学び方を見つけてください。

無理なく続けられる環境を整えられれば、実践に役立つ知識や技術が身につくため、将来のキャリアにも活かせるでしょう。